わたしのはなし

よろしくお願いします。

25歳になった日のはなし

 

去年の11月、25歳になった。

誕生日当日がちょうど府中刑務所で文化祭が行われる日だったので、友人たちと刑務所へ。

 

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この日は天候にも恵まれ、絶好の刑務所日和。第42回府中刑務所文化祭へ。

文化祭、過去に41回もやってるんだ。

なんでもそうだけど、始めるのはわりと簡単でも継続するのはガッツが必要になってくるだろうし、41年も続くってことはそれなりの理由があるんだろう。

文化祭が上手くいくと冤罪っぽい受刑者が1人釈放される。とかね(^_-)

 

あ?

 

 

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メインの広場に出て、刑務官バンド「デビルス」による演奏を聴いた。

いやいや、そんなわけない。

犯罪者たちを指導している刑務官たちが集まったバンド、「デビルス」。

そんなわけない。

 

ビルスの演奏を聴きながら、焼き鳥食べた。

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日本に憧れを持ってる海外の方に看板のデザイン発注してない?

 

刑務所内を見学できるイベントがあったので、参加した。

その名も「プリズンアドベンチャーツアー」。攻めたネーミング。

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ツアー参加希望者の列に並んで入場券を受け取った。

「こちら入場券兼出場券なので、絶対なくさないでくださいね~」と職員さん。(なくしたらプリズンを出られなくなってしまうのか…?)と突然不安になりザワザワする参加者たち。

刑務所内で暮らすことになった理由が”プリズンアドベンチャーツアーの出場権をなくしたから”だったら親になんて説明していいのかわからない。

 

刑務所の入り口にあるでかいシャッターみたいなのが「ガシャン!ブシューー!」って物々しい音を立てながら開いた。友人たちと「今の、刑務所の入り口が開く音として満点じゃない?」って感動した。

プリズンアドベンチャーツアーはそこの”入り口のシャッターが開く音”でピークを迎え、あとは静かに受刑者が普段お仕事している工場や風呂場を見てまわるという内容だった。

想像以上に穏やかな時間だった。

そんなわけないとは思いつつ、“牢屋越しにゴリラみたいな受刑者たちが檻をガシャガシャやってこちらに手を伸ばしてくる中をビクビクして歩く”みたいなのを想像してたので、正直拍子抜けした。

キレイな中庭があって、近くに職員さんがいたので、「この庭って受刑者も歩けるんですか?」って聞いたら「受刑者が出歩くのは許されてません!!」と強めに返ってきた瞬間が一番心拍数が上がった。

誰にも怒られたくねえ。

 

出場券をなくさなかったので、無事プリズンを出て、ふれあい動物パークに行った。

結局、プリズンを出る時に出場券を確認されなかったので、あれは刑務官ギャグだったんだと思う。ふざけんな。

 

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看板のデザインをヤク中の受刑者に発注してない?

 

ヤギとか馬とかハムスターとか、あと何いたっけな、虫?とかトカゲ?みたいな小さい生き物もいた気がする。ない記憶かもしれない。

とにかくどれとも触れ合わなかった。

なぜかハムスターを見るとガチャガチャのカプセルにハムスターを閉じ込めて壁にぶつける遊びをした幼少期のことを思い出す。絶対にやってないのに。これは完全にない記憶。

ふれあい動物パークに入るための整理券、見たことないくらい“手作り”なのに、これを渡してくるスタッフさんが「整理券なくすと再入場できなくなるので、こちら無くさないでくださいね!!!」と、きっぱり言われてウケてしまった。

ルーズリーフの端っこのことを堂々と「整理券」って言い切るじゃん。甘えんな。かわいいな。孫か?

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帰り道にたくさん出店があって、「獄」の文字がでかでかとプリントされたエプロンや受刑者が鞣した(なめした)皮のお財布とかが並んでいた。渋い。

その中で受刑者が作ったポーチを買ってもらった。激渋い。

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中に乾燥剤として新聞紙が入ってたので、このポーチを作った受刑者の犯した罪に関係する記事だったら絶対読みたい!と思ってテンション上がった。(違いました)

 

刑務所を出て、刺身がうまい焼き鳥屋へ。

入ってすぐ横にいた客に「なんできたの?」って言われる。3マス戻る。

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本当に美味しかったです。焼き鳥屋の刺し身が。

この店の店主の頭がハート型に禿げ上がっていて、誕生日に素敵な演出をしてくれてありがとうだった。

 

一緒にいた友人が以前住んでたマンションが近かったので、見に行った。

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道すがら見つけた排水口のフタが可愛かった(・o・)

 

友人が昔住んでいた家を見るイベント、すごく楽しかった。

家の前の道から昔住んでた部屋の窓を指さして、「ここに住んでいたんだよ。」と教えてもらった。

(ここで何年か生活してたんだ。寝て、起きて、ご飯作ったり、ゲームしたりしてたんだな。カーテンは何色だったのかな、)とか考えると、ドキドキした。

出会う前のその人の時間を想像するのは、その友人との時間が深まるようでいい体験だった。

 

ストロングゼロを片手に移動し、新宿にあるいつもの立ち飲み屋へ。

そこで合流した友人たちにアリナミン錠と俳句もらった。

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タニシから タニシに乗り移っ た霊  

なるほどね。

 

激渋ねこポーチ、多めに買ってあったので、配った。

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受刑者が作ったねこポーチを持って、全員満面の笑み。

これを作った方へ、こんな風に楽しい思い出になりました。色とりどりのねこポーチを作ってくれてありがとう。

 

母からは帽子が届いていた。

北海道で一緒に暮らしている頃から今に至るまで数年間、母は毎年決まってCA4LAで買った帽子をプレゼントしてくれる。

こわくて一度も聞いたことがないけど、この場を借りて聞きますね。

 

「なんで?」

 

過去のものを少しだけ紹介する。

左から女優帽、『GLAMOROUS SKY』を歌っていたときの中島美嘉がかぶっていた帽子、コサックダンス用の帽子。

なあ、私のことがどう見えてるんだよ。

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んで、今回がパン。

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コッペパンだ。毎年ありがとう。

私にファッショナブルさがないせいで、一度もかぶってなくてごめんね。

できればもう少し難易度の低い帽子をください。

 

なんの話だっけ、誕生日の話か。

 

東京の好きなところランキング2位が気候。

北海道では誕生日の頃ちょうど初雪の季節で寒くて仕方ないので、人生で初めて誕生日に外でイベントを楽しめて嬉しかった。

 

おわり。