おす。さめです。
去年末、群馬にお見合いに行った話する。
幼馴染の結婚式でスピーチしたら、そこにいたジジイに気に入ってもらって「おれのせがれを紹介する」つって呼ばれた。群馬に。
新幹線乗ろうと思ってたけど、何にも考えてなくて年末なのに席を予約してなかったから、どれも満席で結局JRに乗った。
想像してた倍くらい時間かかった。
それでもちょっと奮発してグリーン車でビール飲めたし満足だった。
駅まで幼馴染に迎えに来てもらって車で家まで向かった。
幼馴染の旦那さんが群馬の金持ちの息子らしくて、幼馴染にとって義実家にあたる家。
着いてみたらめちゃくちゃ豪華で、広かった。どうやら隣の家の人が引っ越したので、隣の家をあとから買ってくっつけたんだとか。
一軒家だけど2軒分ってことだ。
着いてすぐ大富豪した。どこでやっても大富豪は面白いよね。幼馴染と旦那と旦那の弟をボコボコにした。
そのあと旦那の馴染みの居酒屋に行った。
刺身がシャリシャリだった。美味しかった。サービスでいちごも出てきた。シャリシャリだった。冷蔵庫が韓国製なのが確定。
最後にまたサービスで謎の汁を出してもらった。飲んだことない汁だった。田舎汁。
そとあと帰って風呂入ってすぐ寝た。
朝は早く起きたけど、することないから持ってきてた本読んで時間つぶした。
朝ごはんだよー!って幼馴染の義母に声かけられて全然お腹空いてないけどたくさん食べた。美味しかった。
全然お腹空いてないのにもりもり食べちゃうの、実家って感じする。
そのあと幼馴染の赤子とちょっと遊んで、スケート場に行った。
一瞬だけ楽しかったけど、あまりに寒くて、リンクを2周したあたりで「金を払ってこんな思いをしてバカか?」と全員の意見が一致してすぐスケート場を出た。
スケート場までの道がぐにゃぐにゃで、行きも帰りも車酔いして最悪だった。
でも、車内で懐かしい音楽かけて、横に赤子がいて、前に幼馴染の夫婦がいて、みんなで歌って、完璧な空間だった。
赤子は最高。絶対なりたい。
そのあと観光地っぽい温泉街に行った。頂上にある神社までの365段の階段を4人で登った。
365日、1年間、温泉街が賑わいますように、という願いが込められているらしい。
もっと賑わせたいなら階段半分にしろ。老人、赤子、そして電車社会で暮らす小太りのOLの足腰の弱さを舐めるな。
温泉街もすげー寒くて、頂上までの間にある出店で、あったかい甘酒飲んだ。
久しぶりに飲んだけど、あんなの甘くて飲めたもんじゃないな。
こんにゃくも食べた。これは美味かった。幼馴染に「群馬の名物なんだよー!」なんて言われたけど、無味無臭の食べられるゴムを名物にするなよ。
下りの途中にあるうどん屋で熱燗飲んだ。
横で小学校の先生らしい2人組の男が、最近生徒とけん玉とかメンコをやってるって話してて、もしかして群馬だけまだ昭和?と思った。
家戻ってちょっと寝て焼肉屋に連れてってもらった。
群馬のえらい人の息子と私のお見合いというていで、いろんな人が来てた。全員ジジイ。
お見合いって聞いてたのに、群馬の富豪がたくさんいて、取り囲まれた。
お見合い相手であろう男がめちゃくちゃ遠い席に座らされてる。
すっごい地味でパンチしたら倒せそうなメガネの男だった。タイプです。
そんなことより、群馬のジジイはすげー酒を飲む。全然お猪口を置かせてもらえない。
少し口つけただけで次々日本酒をつがれる。
料理もどんどん出てくる。
焼肉屋なのに、でっかい豚足とか、信じられないサイズの茶碗蒸しとかが出てきて面白かった。
全部美味しかった。
お見合い相手のお父さんは県警のえらい人で、映画にもなってる人らしい。
身寄りのない受刑者の釈放を迎えに行ったり、末期ガンの受刑者に最後にタバコ吸わせてあげたり、釈放後に生活保護受けてる元受刑者が死んで、葬式あげてあげたりしたんだよって話をお見合い相手のお父さんから聞かされた。
途中から受刑者の方に感情移入してしまって、「私も…逮捕されたいです…」と言って泣いてた。
逮捕されたくはない。
結局、周りにいた富豪に気に入られて、手を握られて肩を抱かれ、年末の大感謝祭〜おじいちゃん大モテフェスティバル2017〜って感じだった。
帰り際、この会の趣旨を突然思い出したっぽい酔っ払いのジジイたちがホレホレって言うから、焼肉屋さんの伝票に電話番号書いてお見合い相手と交換した。
やっぱり群馬だけまだ昭和じゃない?時の流れ遅くない?スマホって見たことある?LINEって知ってる?
焼肉屋の帰りの車で「あのおじいちゃんに言えば30万くらい包んでもらえたよ」みたいに言われたんだけど、それはうそだと思う。
でもカバンに入ってる払い忘れた光熱費の請求書くらい渡しておけばよかったか。
義実家に帰って、義母と義父と幼馴染と旦那で飲み直した。
ここでもめちゃくちゃ飲まされた。めちゃくちゃ。
もうすでに出来上がってるのに次々注がれるハイボール。深夜1時の大盛りの焼きそば。
群馬の人たちなんなの?海賊?
「うちで年越しなよ!美味しいカニあるよ!カニ食べよ!!」と幼馴染の義母に引き止められたけど、「ありがとうございます…ほんとにいいんで…」つって断った。
"美味しいカニ"と言われてちょっと揺らいだけど、群馬に着いてからお言葉に甘え過ぎているし、自分の実家でも居心地悪いのに、他人の実家で年越すなんて、気を使ってしまって首がもげるに決まってる。
帰り際、なんだかんだ大量のハムと往復の交通費とお年玉までもらってしまった。
多めにもらった交通費を赤子に見せびらかしたらそのまま札を握ってはなさなかった。
赤子には人生で大切なものが何なのかもうわかっている。
結局予定通り31日に東京帰って来た。
東京の自分の家に着いて玄関に座ったらすげー落ち着いた。
ここが自分の家だという感じがした。
私の年越しはこれでいい。1人でビールがいい。(めちゃくちゃ落ち着く…自宅は最高…)と思いながらカウントダウンTV観て過ごした。
それにしても、かなりいい年末を過ごさせてもらった。
赤子からジジイまでたくさんの群馬の民に囲まれて、もりもり食べてバカほど飲んだ。
1月1日、お見合い相手から「ご趣味はなんですか?」ってテンプレート使ったみたいなショートメールが来てた。
もしかして「お見合い 話題」でググッたのか?
趣味なんかないよ。
空いてる時間は酒を飲んでるだけだよ。
そんな感じで返事返したら、それっきり連絡こなくなった。
困らせてごめん。
全然お見合いじゃなかったけど去年末は楽しかった。
呼ばれたらまた行きたいな。群馬。
おわり。